Carib DX Vacation ZF2 Cayman Is By JA7KAC
ケイマンからの運用
ZF2AC
米国出張へ行く度に、憧れのカリブの海で休暇を取りたいものだと考えていたが、そのチャンスが
94年夏に訪れた。夏休みを利用してニューヨークに赴任している妹家族を訪れていたXYLと2ndが、
ちょうど私の出張に合わせ共にカリブまで足を伸ばすことになったのだ。私は迷わずしてケイマン諸島を
選んだ。最大の理由は米国本土から近く、海が綺麗で私の趣味の一つスキューバ・ダイビングでは
世界的にも有名なポイントだからである。
宿は、会社関係の米国人知人が現地に持っている貸別荘を借りることにした。運よく彼の息子がハムで、
ちょうど現地にアンテナが置いてあるとの事で好都合であった。ライセンスは事前に現地の官庁に申請し、
最後は現地のZF1EJ Andrew の協力で無事入手することができた。
7月22日、私はサンフランから、家族はニューヨークからそれぞれマイアミまで飛び、空港で落ち合って
そのままキューバ上空を経てグランド・ケイマンに到着した。日本から持参したアンプFL-2100Bの
重かったこと・・。
ZFからの運用
空港でレンタカーを借りて早速食料を買い込み、Xが羨むリゾートホテルが立ち並ぶ街にお別れし、島の
北はずれの別荘地に着いた。ところが、事前に手配して上がっているはずのバーチカルが見当たらなかった。
アンテナを管理しているWJ3U(現AH6ML) Kirkの友人に連絡を取るが月曜日まで戻らないとのこと、
ウィークエンドの運用は絶望的だ。翌日、ライセンス取得のお礼もありAndrewのところに出かけた。
彼は現地のクラブ局でコンテストでは常連局ZF1Aのオーナーであり、アンテナファームもすばらしい。
日本を発つ前に、ここから3.8メガのアンテナを使わせてもらい運用する許可を得てあったが、
別荘での状況を説明すると全部ここを使っていいぞと言ってくれた。
早速、機材を取りに別荘へ戻り、夕方無事ここにセッティングを終えた。試しに18メガで運用してみたが、
夏の島特有の朝夕の雷雨のためノイズが凄い。それでもJAとつながった。
翌日からは、朝4時起きで宿から20マイルの道を通うことになったのだが・・・。朝は夜明け前から
7、10、14メガとJAを拾っていく。ちょうどYV0(YW0RCV)のペディションがあったのでQRMとノイズに
泣かされる。その日の朝はそれでも約300局のJAとQSOできた。
翌日も同じような状況で、残念ながら21メガはJAと開けず上は18メガ止まりだった。
数日後の朝、7メガのコンディションが良くノイズも少なかったので3.8メガに降りてみた。この日は
運よくJAが開け、30分程度でSSB/CW合わせ約40局とQSOできた。
7メガで聞くJAの信号はエコーがかかってフワフワしており、高速キーイングの局はつながって聞こえ
全く解読できなかった。
総合的にみて、近いEU方面の信号はもちろん強かったが、意外にVK/ZL方面の信号の強さに驚かされた。
ケイマンの様子
イギリス領ケイマン諸島は、一番大きなグランド・ケイマン、ケイマン・ブラック、リトル・ケイマンの
3島からなる。米国やヨーロッパの避寒地としても有名で、カリブ海クルージングでの豪華客船が
必ずといっていいほど寄港する。
また、タックスフリーであることから各国の銀行が多く、世界の企業でここに本社を置いている会社も
少なくない。このため、島は裕福で失業率が非常に低い。また、街はきれいで塵一つ落ちて
いない事をみてもカリブ諸国の中でも生活レベルの高さを察することができる。
避寒地であることから、日本と違い夏はオフシーズンで観光客が少なく、飛行機運賃やホテル料金
も割安である。
ここグランド・ケイマンは真平らで高いものは何もない。島では海亀の繁殖・放流を行って保護している。
また、島の地形は周りが急に深海へと落ち込んでいるので、世界でもここにしか生息しない固有種の
魚やサンゴ類が見られるのだ。前述のように、潜ってこれらを実際に見ることを楽しみにしていた。
一緒に潜った連中はほとんどが米国人だが勿論全く問題なくすぐお友達だ。何とそこに参加していた
おばちゃん達は結構上手い。「そこの日本人は大丈夫かい?」なんて言われそうだ。ラッパのような
サンゴ Barrell Sponge や高貴な魚 French Angelfish など固有種を楽しみながら一日中ダイビングを
満喫できた。また、宿を取った貸別荘地の目の前は遠浅なビーチで、砂はピンク色で砂塵のように
細かく美しい。浅瀬では好奇心旺盛なアカエイがまとわりついてくる。
初めてのカリブ海で取った家族での夏休み、みんなが満足した事はいうまでもない。
JA7KAC/ZF2AC
マイアミからキューバ上空を飛んで グランド・ケイマンに到着した。 |
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グランド・ケイマンの首都 ジョージタウンの空港にて |
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お世話になったZF1EJ Andrewと。彼は コンテストでおなじみZF1Aのオーナーだ。 |
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ZF2ACを運用中の筆者。アンテナ以外は 日本から持ち込んだ。 |
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ZF1EJ Andrewの自宅とアンテナファーム。 タワーは4本ある。 |
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左端に見えるのが離れのコンテストシャック。 ANTケーブルは母屋と切り替えできる。 |
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40m高メインタワーにはTH7と3,8Mhz用ロータリー DPが乗っている。これでJAまで飛ばした。 |
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毎朝4時に起き、20マイルを通った。JAの パイルを浴びるとなぜか疲れが抜ける。 |
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貸し別荘の掃除をしてくれるメイドの子供と おやつを食べて遊ぶ。 |
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プール付きの別荘は標準だ。目の前には ピンクの砂のビーチが広がっている。 |
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沖に大型客船が停泊し、客はボートで 港に運ばれる。 |
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Caribの島では良く見られる。見事な赤だ。 | |
夏なので、イグアナも脱皮中だ。 |
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島では海亀を繁殖させている。 この大きさは2〜3年もの。 |
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鹿の角と言われている珊瑚 Elkhorn Coral. Caribの固有種だ。 |